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「blue code」

1 :miki ◆LLUxQinvso :03/04/09 02:10
ラウンジでやってたけどdat落ちしたんでこっちで。
前作ものせとく。

2 :miki ◆LLUxQinvso :03/04/09 02:12
「夏風の日」

退屈だった。仕事して、仲間と遊んで、飯食って、寝て、その繰り返し。
だけど、その日だけはほんの少しだけ、特別だった。

3 :miki ◆LLUxQinvso :03/04/09 02:12
「おい、さっさとやれ。客からクレームきてんだからな」
バイク屋での修理の仕事はそれほどつまらないってわけじゃない。
親父さんはいい人だし、まだ見習いで行き詰まって、こんな風に怒鳴られて、それでも、そこそこの給料をもらえる。
だけど、その日は、なぜか気分が乗らなくて、さぼってしまった。

4 :名無し物書き@推敲中?:03/04/09 02:13
オナニーはオナニースレで。

5 :miki ◆LLUxQinvso :03/04/09 02:13
公園のベンチでジュースのふたをあけながら、
風に揺れる緑色の木々を見つめていた。太陽がまぶしくて、すぐ目を閉じてしまったけど。
昼間の午前中じゃ周りに人影も見えない。車の音が寂しく響く。

6 :miki ◆LLUxQinvso :03/04/09 02:14
小さい頃から、結構な空想癖がある。宇宙戦争が起きないか、もしも宇宙の始まりに行けたなら、
一人ぼっちで風に揺られながら、そんなつまらない空想が頭の中を回っていた。
「俺何やってんだろ。」
そうつぶやきながらジュースの缶を飲み干す。青空を見つめながら、ポイと缶を中に放り投げる。
すると、ふいに大きな声が耳をつんざく。
「あー! いけないんだ。」
こんなところに女子高生が現れて、ポイ捨てして怒鳴られるってきっかけが、この日、僕達にとっての
小さな非日常の始まりだったりするのだ。

7 :miki ◆LLUxQinvso :03/04/09 02:14
「あんた何やってンの?」
制服を着て茶髪で、耳にピアスあけて、いかにも女子高生って感じ。
「君こそ何やってんのさ。学校行けよ。俺はしごとサボってるけど。」
少女は目を丸くして、僕のとなりに座る。
「へ〜あたしとおなじじゃん。ま〜あたしは途中でバックレてきたんだけど。
勉強つまんねーから。あんた何の仕事してんの?」
少女はペチャクチャと話し掛けてくる。うざったい。
だけど、風を受けてなびいた茶色の髪が、ちょっとだけ、輝いて見えた。
「あのさ、うるさいからどっかいけ。それとも俺に惚れたとか?」
「あはは。バーカ。で、これからどうすんの?
「別に。でも今日は仕事には行かない」
少女は急に目を輝かせた。
「じゃ、決まり。どっかいこ!」
少女は大きい声で怒鳴りながら僕の腕を引っ張った。


8 :名無し物書き@推敲中?:03/04/09 02:15
何の目的で書いているのですか。

9 :miki ◆LLUxQinvso :03/04/09 02:21
急に、大きな男性の声が怒号となって、僕達を襲った。
「お前らうるせえんだよ! イチャイチャするなら他でやってくれ。
いい年した若者がこんなところで何をやっているんだ!」
スーツを着てメガネをかけた真面目そうな中年が顔を赤くして、僕らを睨む。
何か、嫌な事があって、やつあたりしてるようにも思えた。
「オジサンさ〜、どーせ、リストラでもされて、ここうろついてんじゃないの?
あはははは。」
「お、おい・・・」
僕は二人の顔を交互に見渡す。
オジサンは急にうつむいてぼそりと口を開く
「そうだったらどうしたというのだ?お前にわたしの気持ちがわかるとでも言うのか?」
少女はにんやり笑って、その中年を見つめてこう言った。
「・・・ どうせ暇なんでしょ! このオッサンも連れてこ!」


10 :miki ◆LLUxQinvso :03/04/09 02:22
そんな感じで僕らは新幹線に向かい合って座っていた。
「あの、京都に行くってどういうことさ?
観光したいの?」
僕は怪訝な表情をして少女を睨んだ。
「あははは。面白いことありそうじゃん?
東京は臭くてつまんねーから、古代の町へ逃避行〜
あははは。」
オジさんはメガネをふきながら目を合わせずに呟く。
「全く、わたしの若い頃はこんなバカな女なんぞいなかったものだがな。
うちの娘もチャラチャラした男とあそびほっつきやがって、家にほとんど帰らず、
たまに帰ってくりゃ金よこせなんていって蹴られるんだよ。全く・・」
少女はオジさんを指差してばか笑いした。
「あははは。情けねー。バカな親父だねー。あははは。」
「お、おい、よせよ」
僕は知らない国の宇宙人に出会ったような不安に駆られながら、こんな状況を
ある種楽しんでいたのかもしれない。
とにかく、僕達の小さな旅が、冒険が、ここから始まろうとしていた。

11 :miki ◆LLUxQinvso :03/04/09 02:23
「さあ、着いたぞ」
オジさんはすたすたと駅の構内から外に出て、大きくあくびをした。
「それじゃ、お前達、バスで法隆寺に行くぞ。トイレに行くから待っていろ。」
オジさんは姿を消して、少女は急に怒り出した。
「あのオヤジ、自分が金出すからって、観光コースまで勝手に決めやがって。
別に観光したくてきたわけじゃないってのに」
僕は怪訝な表情で、彼女を見る。
「じゃあどうして俺達引っ張ってこんなところへ来たのさ? 
京都なんて観光するくらいしかないだろ?
それにあのオジさんノリノリだぞ。いまさら俺達だけ帰るなんで言えないだろ?」
眼前に近代的なビル郡が立ち並ぶ京都駅の下、彼女の能天気な表情はちょっとだけ憂鬱な蔭りをみせた。
「さあねえ、よくわかんない。あははは。」
構外で突っ立っている僕らに向って、オジさんはすまなそうな顔をして、走ってきた。
「待たせて済まなかったな。ところで、京都といえば着物の町、西陣織という有名な・・・」
僕がなんとなくオジさんの得意げな話に耳を傾けている間に、少女は足を進めてしまっていた。


12 :miki ◆LLUxQinvso :03/04/09 02:24
バスの中で、オジさんは僕の隣に座った。
曲がったネクタイが、なんとなく哀愁を誘っていた。
しばらく黙っていたけれど、ぽつぽつと少しだけ、自分の話をしてくれた。
彼は平岡さんというらしい。有名な財閥系企業に勤めていて、仕事上のちょっとしたミスから、
辞職させられたということらしい。そして家族のこと。
「私の家は父子家庭なんだよ。妻は娘が三つのときに病気で亡くなった。
それからは二人の子供と仕事だけが生きがいになってしまった。昔はいい子だったのに今じゃどっちも悪ガキだけどな。ハハ」
高校生の娘と中学生の息子を持つ親が、職を失って、彼がどのような状況に立たされているのか僕にはわからない。
だけど、バスに揺られながら、通り抜けて行く商店街を見つめる彼の眼は、ちょっとだけ弱々しかった。
「おい、オヤジ、辛気くせー話すんな。つまんねーんだよ。」
前に座っていた少女はぼそりと呟いた。
「全く、この小娘は・・・ お前の親御さんに一度会ってみたいものだな」
オジさんはこんな小言をぶつぶつ繰り返していたけれど、少女はそれから口を開くことはなかった。
彼女がどんな表情をして何を思っていたのかは、僕にはわからないけれど。


13 :miki ◆LLUxQinvso :03/04/09 02:24
「法隆寺は世界文化遺産に指定されており、昔聖徳太子が・・・」
参道を通りぬけて、オジさんはウンチクを垂れながら、とことこ歩いていく。
威厳ある南大門が、僕達を迎えた。前に反り返った屋根の前でオジさんは背伸びしていた。
目の前に白く広がる広い地面の中央で足を止めた少女はピアスをいじくりながら
呟いた。
「こんなところに金払って観光したいなんていう人が何千人といるんだから不思議だよね〜。
前にいるオッサンさんみたく知識人気取りたい奴ばかりなのかな〜。あははは」
にわかに、オジサンは少女を振りかえってこう叫ぶ。
「京都の風情がわからん奴は黙っていろ。全くこれだから・・・」


14 :名無し物書き@推敲中?:03/04/09 02:31
つまんねーぞー。

15 :miki ◆LLUxQinvso :03/04/09 02:38
その後なんといったことはない。五重塔だの、金堂だの、お決まりの観光コースを、
気分の乗ったオジさんに僕達がとぼとぼ着いていくような感じだった。
だけど、夏の日差しに照らされた寺院や池を見渡すと、やっぱり異国の地に降り立ったような
心地よい緊張感に胸が踊らされるなんてことも、京都に来たことのない僕には新鮮だった。
平日の昼間の東大門にポツリと三人だけ、真っ白な道と、側に立ち並ぶ緑木に臨んでいた。
「なんかさー、他に人がいないと知らない地で冒険してるみたいな感じがするよな。」
僕がなんとなく口を開くと、少女はうつろな眼で僕を睨む。
「こんなとこつまんないジャン。早く出て昼ご飯食べようよ。」
少女は先ほどからなんとなく、気乗りがしない様子だ。
「まあ、もうすぐ昼だからな。このすばらしい京観を眼に刻み付けておけよ。
せっかく来たのだからな。法隆寺といえば、子規が詠んだ句に有名なのがあるだろう。
柿くへば鐘が鳴るなり法隆寺、とな。先ほど見た句牌には・・・」
青空を見上げて御高説を垂れるオジさんに、小さな声で「うっせーよ」
と発する少女の姿がそこにあった。

16 :miki ◆LLUxQinvso :03/04/09 02:39
蕎麦屋でうどんをすすりながらオジさんは言う。
「さて、次の観光コースは、、、」
寂れた店内には、中年女性一人と、昼休みのOLがいるぐらいで、僕はしみのついた天井と、
インクの薄れた品書きを見つめながら、ただなんとなくボーっとしていた。
少女は蕎麦を勢いよく口に運ぶのに夢中だった。オジさんのイントネーションのよい
ウンチクで、僕はウトウトとしていた。


17 :miki ◆LLUxQinvso :03/04/09 02:39
聞き慣れたJPOPのメロディが、僕の携帯電話から発されていた。
二度連続の電話。店の親父さんと遊び友達。今京都にいるから、なんていい訳は出来ない
と困惑している僕から、とっさに電話を取り上げて、「あははは。無理だよバーカ」
なんて言ってしまう彼女の行動ぶりに、自分が振りまわされてるんだと思うと、
怒りと期待が混じったような不思議な気分に襲われるのだ。この異国の宇宙人はこれからなにをやらかすのだろう。
「こんなもん電源切っとけ。あたしが預かっとくから。あははは。」
彼女は僕の携帯をバッグにしまいこむ。
「お前さ、俺にも立場ってもんが・・・」
僕はそう言いかけたけれど、おちゃらけているこの女には、何を言っても無駄だろうと、諦めた。


18 :miki ◆LLUxQinvso :03/04/09 02:40
少女は名をユキコと言う。僕の名がリョウヘイだなんて言うと、
平凡過ぎてバカみたい、あはは、なんてことを言ったりするのだ。
しかも声が大きくて、店主や周囲の客にちょろちょろと睨まれて、バツの悪い思いをすることになるのも、彼女のおかげだ。
「でさー、オッサンには悪いけど、もう観光は終わりなんだよね。
ここから先は、タクシーに乗って、あたしの行きたいところに、着いて来てもらうことにするから。
じゃ、決まりっと。あ、料金はもちろんオッサン持ちだけどね。」
オジさんは容器を片付け、麦茶を口に放りこむと、急に不機嫌そうな顔をした。
「何を言ってるんだ。このあと、薬師寺に行って、唐招提寺に行って・・・
大体、お前さんはこの辺のことなど知らないだろう。一体どこへ行くというんだ。」
ユキコは席を立って飄々と玄関先へ歩いていく。
僕は、終始、この蕎麦やの店主がギロリと彼女を睨んでいたのを知っている。
僕達が、彼女の傍若無人な振るまいにとばっちりを受けるのは確かに嫌だし、
オジさんなんか、
「全くあの娘は人の話を聞きもしないで、大声で勝手なことばかり・・・」
なんて憤怒していた。
「ま〜、観光はいつでもできますから。何か面白いことあるかもしれないし。」
なんてなだめたりすると、「早く会計しろよ。」なんて彼女は叫んだりするのだ。


19 :miki ◆LLUxQinvso :03/04/09 02:41
僕らは公園のベンチに腰掛けていた。
緑葉がざわざわとうめいて、まぶしい日光の一部を透過する。
ベンチの周囲は緑の木々で埋め尽くされていた。上空の緑色の傘がリズムに乗って
揺らめいていた。夏風が、僕らの体をひんやり冷やしていた。
「それにしても、なぜこんなところに来るのだ?
ただの公園じゃないか。」
こんなことを言っても、オジさんはそんなに不機嫌ってわけじゃなかった。
東京よりずっときれいで広い緑地が、僕らの心を和ませていたんだろう。
少女はずっと透き通る青空を見つめていた。
「あたしさー、ほんというと、前はこっちに住んでたんだー。
この橘公園は、小さい頃からの遊び場だったんだよね。
今はだあれもいないけど、鬼ごっこしてる私と友達とか、木登り競争してる男の子とか、
小さい私と、ベンチで寝ている父親とか、なんか目に浮かんできちゃってさ。
悲しくなっちゃうから、空を見てるんだけど。」


20 :miki ◆LLUxQinvso :03/04/09 02:43
「ユキコはいつから東京にいるの?」
そんなことを、僕がさりげなく訊いてみても、少女はじっと黙っているだけだった。
ただ、セミの鳴く声と、空を舞う飛行機の音が僕の耳に鳴り響いていた。
しばらくの沈黙のあと、少女は急に立ち上がって足を進めた。
「次いくよ。早くしろ下僕ども。あははは」
そう笑う少女の表情は、ほんの少し、憂鬱だったのかもしれない。


21 :miki ◆LLUxQinvso :03/04/09 02:43
-西陣シーパラダイス-
長い石段の先には大きな水族館の看板が見えていた。
「水族館かよ。大して面白くないと思うんだけどな。」
僕はぼそりと呟いて、石段を上る。
「まあ、よいではないか。たまには魚の見物もいいものだ。」
僕の横でオジさんが呟くと、少年が息を切らしながら、ランニングしている姿が見えた。


22 :miki ◆LLUxQinvso :03/04/09 02:44
「お前、ユキコとちゃうか?」
丸刈りで顔のこわばった少年が、表情を変えて、少女に向って微笑んでいた。
少女は思わず顔を紅潮させて、少年の方ををじっと向いた。
「ヨウイチやないの。。。 久しぶりやね。
あはは。汗だらだらやないの。」
少年は顔を拭いながら、途切れ途切れに言葉を発した。
「こんなところで何してるん?
学校は? それにあの人達は?」
「学校はサボり。今日はな〜んとなく、ここに来たくなって。
あの人達は...」
少女の言葉を遮り、少年はあわてふためいて叫んだ。
「あかん。部活の途中やから遅れると怒られる。
行かなきゃ。ごめんな。最初見た目が変わってるから気付かなかったんだけど、
こんなところで会うとはな。あの、、あとで家寄っていけや。色々話もしたいし。
じゃ、いくで!」
少年は先ほどの疲れを吹き飛ばすかのように、勢いよく、町並みを走り抜けて行った。
僕もオジサンも入りいる隙なんかなく、ただその光景をぼんやりと魅入っていた。


23 :miki ◆LLUxQinvso :03/04/09 02:44
「あははは。あのマグロ、リョウヘイみたいなバカ面じゃん。」
大水槽の中で、無表情で口をパクパクさせているマグロの郡を指差して、
彼女は笑った。僕には、尾びれを必死で揺らすその姿は、苦しみに満ちているように映った。
オジさんは眼鏡を直しながら、ぼそりと言う。
「マグロというのはだな、泳ぎつづけないと死んでしまう、知ってるよな。
眠っているときも泳いでるんだよ。20km/hで群れを作って・・・」
オジさんのご高説が始まると、彼女は場所を変える。
青い証明で照らされた水族館内には、僕たちしかいなくて、一匹のイセエビが、
僕らに視線を放っていた。
ユキコは水槽に寄りかかって、深海魚の大群を目で追っていた。
「この水族館には小さい頃オヤジとよく来たんだよね〜。
なーんか懐かしくなっちゃってさー。
この水族館にはマンボウがいなくて、泣いてわめいたりしてさ。あははは。」
僕はちょっとだけ不安な心持ちで、彼女の言葉に耳を傾けていた。
さっきの少年は誰だろう。彼女はここで、どんな生活を送っていたんだろう。
そんなことを思いながら、僕らは彼女の指令に従って、水族館を後にした。


24 :miki ◆LLUxQinvso :03/04/09 02:45
僕らは閑静な住宅街をぶらついていた。
塀に囲まれた住宅郡と、ところどころにある電柱が目に入ってなんだか僕は、
現実に引き戻されてしまったような気分に駆られた。
僕の退屈な日常は、いつもこんな風景から始まるのだ。
「京都とは言っても、ここら辺は普通の住宅地なんだな。」
僕が不平混じりにそんなことを言うと、オジさんはネクタイを直しながら、
「西陣は帯の産地。着物の商店街をぶらついてみたいものだ。」
なんて言ってたりする。
すると彼女は、
「そんなとこ行かない。こっちだよ」
そう呟いて一人、道を左に曲がって行った。


25 :miki ◆LLUxQinvso :03/04/09 02:46
「誰もいない・・」
彼女は中学校の校庭の前に立って、ぼつんと呟いていた。
「そう言えば、創立記念日だったかな。今日は。」
しばらく門の前で突っ立っていた僕らは、
砂地をすたすたと歩いていく彼女を、追いかけた。
後者にある時計は三時半を示していた。人気のない校庭で、
ひゅうと吹く風が、悲しげに三人の服をなびかせていた。
ユキコは校舎の右の窓の前に立つと、窓をいじくりまわしていた。
「ほーら、やっぱり開いてる。」
彼女はぐいと開けた窓から、またがって教室内に入ってしまった。
「お、おい、いいのか?」
なんて僕の声は全然届いていない。


26 :miki ◆LLUxQinvso :03/04/09 02:46
「ここはユキコの通っていた中学校なの?」
僕はくつを脱ぎ、中の砂を外に捨てた。
少女は後ろの席に座って、黒板を眺めていた。
オジさんは、教卓のまえに歩いていって、ジロジロと周囲を見渡していた。
「そだよ。さっきの奴さ〜、同じクラスの奴だったんだー。
サッカーやってるスポーツ少年だったんだけど、結構な悪ガキでねー。
数学の教師に鼻毛あだなつけて、授業始まる前に黒板にその先生の落書きなんかしててさ」
少女はふらりとたちあがって、黒板の前に立ち止まる。
赤いチョークでコンコンと下手な絵を書き始めた。


27 :名無し物書き@推敲中?:03/04/09 02:47
おまんこ、と。

28 :miki ◆LLUxQinvso :03/04/09 02:47
「あたしは結構真面目な奴だったんだよね。クラス会長なんてやってりして。ほんとに。
今じゃ考えらんないけどね。あはは。結構そいつと喧嘩したりしてたんだけど、
皆で遊びに行くときはそいつも一緒で、あーあ、なんでこんな話してんだろ。」
彼女は机の上に座って、僕のほうを向いた。
オジさんは教卓の前で、
「教師に見えるか? 見えるよな。
まー、悪ガキなんぞというものはだな、教師のゲンコツですぐおとなしくなるものだ。
大体、今の奴らは....」
ユキコは横にいるオジさんをみて、クスリと笑う
「オッサン頭堅いねー。だから娘に蹴られるんだよ。あははは。」
午後の薄黄色の日差しが、教室を暗く照らしていた。
三人の教室は、やっぱりちょっと陰鬱で、寂しげで、
だけど、どこかノスタルジックだった、といえるかもしれない。


29 :あぼーん:03/04/09 02:47
あぼーん

30 :miki ◆LLUxQinvso :03/04/09 02:48
そこから数秒、沈黙が続いて、そのときの彼女はなんとなく、
元気をなくしていたんじゃないかと思う。チッチッチッ、と時計が時を刻む音だけが、
その場で時の流れを主張していた。
「あたし、中学を卒業するころ、両親が離婚して、お母さんと東京に移ったの。」
ふと涙声でそう言い放った彼女の態度には、悪ふざけも、皮肉も感じられなかった。
窓から指す光が赤い髪をきらきらと輝かせていた。
「東京に来てから、お母さんは変わっちゃった。キャバクラに勤め始めて、
男作って、家にあまり帰って来なくなったの。昔はやさしい主婦だったんだけどな。
あたしは、女子高に通って半年ぐらい立った頃には、すっかりグレていたような気がする。
酒タバコは当たり前で、ウリやったり、家に男連れこんだり、
まーあたしだけじゃなくて、周りはみんなそういう子ばかりなんだけど。
だけど、最近なんか空しくなっちゃったっていうか。京都にいた頃がよく胸に浮かぶんだ。
自分も環境も、こっちとあまりに変わっちゃったから、よくわかんなくなっちゃった。
あはは。あんた達にこんな話してもしょうがないよね。あんたらは能天気に生きてるだけなんだし。」
僕らはしばらく何も言えなかったし、何も出来なかった。
何が言える? 何ができる? 彼女の独白は、痛くて、辛くて、それでも
知り合ったばかりの僕には適当な言葉が出なかったんだ。


31 :miki ◆LLUxQinvso :03/04/09 02:49
沈黙を破ったのも、やはり、ユキコ自身でしかなかった。よくは見えなかったけれど、
眼にはうっすら涙を浮かべていたんじゃないかと思う。
「・・・さ、帰ろっか。落書きはこのまんまにしとこ。面白いし。あははは」
ユキコはすとんと、座っていた机から降りて、一人、窓の方へ歩いていった。
後ろの席に座ってひじをついていた僕も、教壇の椅子で足を組んでいたオジさんも、
ゆっくりと腰をあげた。
「おいおい、これから新京極で買い物散策ぐらいしようと思ってのになあ。」
服を手で払いながら、オジさんが呟いた時には、彼女は外に出ていた。
僕は、ちょっとだけ列を乱した机達と、黒板にある人形みたいな絵と、
ほこりを照らす日差しを眺めながら、
この学校の生徒になった気分から抜け出す寂しさを覚えた。
ちょっとだけ先生気分だったオジさんも、窓から青空を眺めて、
きっと何らかの感慨浸っていたに違いない。


32 :miki ◆LLUxQinvso :03/04/09 02:55
僕らは、先ほどの閑静な住宅街に引き返し、
彼女の足の向かう先へと続いた。
目の前には、暗くなり始めた太陽を、カラスが三匹横断していく姿が見えた。
前方に連なる電柱と白塀をみて、もうすぐ、この京都に別れを告げるのだ、そんな思いが
頭をよぎる。僕もオジサンも、なんだか疲れてしまい、冴えない歩行を続けていた。
「おい、タクシー乗り場はそっちじゃないだろ。」
オジさんは少女の後ろから大きな叫びを響かせる。少女は何も答えずに、砂利の敷き詰められた
細い路地をゆっくりと歩いていった。

33 :miki ◆LLUxQinvso :03/04/09 02:55
-明円寺-
小さな寺院の入り口の門にはそう彫られていた。
一本の白い参道。左右には白い砂利さらに左奥には広い池が見える。
少女は少しだけ足を進めて、ゆっくりと周囲を見渡して、僕らを振りかえった。。
「なんだよ、寺社見学したいんなら、そう言えばいいのに。」
僕がやるせなさそうに肩を落とす。少女はゆっくりと首を横に振る。
「違うの。ここあたしの家なんだ。帰るっていうのはこっちのこと。
多分お父さんがいるから。」
彼女は明らかにはじめの頃のテンションもなくなって、疲れた表情を見せていた。
もしかしたら、ここに来たのは彼女の気まぐれなのかもしれない。それもしょうがないか。
「そうだったのか。なんかよくわかんないけど、帰って来れてよかったじゃん。
じゃあ、ここでお別れか。今日は色々と・・・」
落ちついた声で僕が淡々と話していると、後ろから一人の男性が寺社を背に、走って近づいてくるのがわかった。
「お前ユキコじゃないか! どうしたんだ!」


34 :miki ◆LLUxQinvso :03/04/09 02:56
「なんや。急に帰ってきて。これじゃ、お友達にも大したおもてなしもできんし...」
その男性は住職らしく、頭は坊主はしていたが、ハワイの観光客を思わせるような
派手なロゴの入ったTシャツを着て、なんともおしゃべり好きな気のよい人だった。
僕達は居間の掘りごたつに向かい合って、とりとめのない話をした。
今日知り合ったばかりだといっても、何一つ屈託のない笑顔で、
僕の仕事の事を訊いてきたり、平岡のオジさんと阪神タイガースファンだということで盛り上がったりしていた。
冷たくて心地のよい夏風が、僕の背の網戸から流れてくる。
チリンという風鈴の音と、二人のオジさんの笑い声と、テレビに流れているドラマの女性の声があいまって、
僕にとっては、なんとなく、心地のよい感じがした。
けれど、ユキコは、あまり話にも加わらずに、寂しげな顔をして、ボーっとテレビを見つめていた。


35 :miki ◆LLUxQinvso :03/04/09 02:56
お父さんはユキコのことがやっぱり気になるようで、最後にはやっぱり、親子同士の会話になった。
ユキコはしばらく下をうつむいていた。壁に掛かった古時計が、ボーン、ボーンと5時の刻を告げる。
父親は心配そうに少女へと顔を向けた。
「お母さんは元気でやっとるんか?仕事の方は?
大体お前、口紅つけたりピアスしたり、見た目も随分変わったよなあ。」
少女はふっと、顔を上げて、虚ろな眼で父を見る。
先ほどまで饒舌だったオジさんも、ビールをすすって、黙って眼鏡を拭いていた。
「ウチら、ほとんど話せんのや。なんていうか、あの人、
男とほっつき歩いてるから、あまり帰らんし。
何考えてるのかさっぱりわからんわホンマに」
住職さんはしばらく黙りこくって、気難しい顔をして、息を大きく吐き出した。
「まあ、元気でやっとんならええねん。よろしく言っといてな。
さ、ご馳走作るで。お友達は今日は泊まってき。
ユキコ、お前は手伝いなさい」


36 :miki ◆LLUxQinvso :03/04/09 02:56
その部屋の様子といえば、ピンクの絨毯、ベッドにはクマのぬいぐるみ、
本棚には少女漫画やら、推理小説やら、いかにも女の子らしいといえば女の子らしい。
「いいのか? 手伝わなくて。」
オジさんはきょろきょろ部屋を見回していた。
ユキコはベッドに腰をかけて、手を伸ばしながら、あくびをした。
「いいんだよ、そんなもん。あたし料理なんて出来ないし♪」
ユキコはクマのぬいぐるみを僕の顔面めがけて投げつけた。
「それにしてもさあ、ダッサイ部屋。ファッション雑誌やらブランド品やら転がってる
今のマンションとは大違いだね。これが2年前のあたしなのかあ...
あ、あこれこれ」
少女は立ちあがってプレーヤーの上でほこりをかぶっていた、百枚近くあるCDの束から何枚か取り出した。
CDのジャケットを見つめながら、彼女は言う。
「これさー、全部貰い物なんだよね。さっき会ったあいつ、
東京行くって言ったらくれたんだ。こんな洋楽なんて私が聴くわけないのにねえ。あははは。」
ジャケットを見る限りでは、メタルとかプログレとか、一般受けしないようなミュージシャンの名があったから、
彼女にとっては本当に猫に小判で、全く聴くことなんてないのかもしれない。
そっとCDを戻して、彼女はふとブルガリの腕時計に目をやった。


37 :miki ◆LLUxQinvso :03/04/09 02:58
「あたしさ、ちょっと出掛けてくるわ。居間でDVDでも見てて。」
彼女はこう言い残してそそくさと部屋を出てしまった。
残された僕達二人は、ポカンとして、開きっぱなしのドアを向いていた。
「今帰ってきたばかりだろうに。どこへ出かけるというのか。
さっきの少年のところか。」
勘に過ぎないけれど、多分違う。なんかとても焦っているような様子だったし。
それにしても、父親に対してもああいう態度したり、僕にはよくわからない。
せっかく、彼女にとっての安息の場に帰ってきたというのに、何を考えて、何処へ行ったんだろう。


38 :miki ◆LLUxQinvso :03/04/09 02:59
少女は夕暮れの山林をぜえぜえと息を切らしながら、ゆっくりと登っていた。
急斜面に足を滑らせそうになって、慌てて見を立てなおす。
こんなことを何度も繰り返しながら、少女は、眼前の硬い土と薄暗い木々の光景が変わるのを待った。
そうして、ザッと少女は立ち止まって異世界への光景を眼にする。
目の前一帯に広がる赤い草原。多分一番適当な形容だろう。
夕日に染まる草々が、風に吹かれて横にしなう。草達は、不揃いのリズムで、美しい形を作っていた。
「ここだけは、変わらんなー。」
少女は丘の中央に立ってドスンと腰を地につけた。
僕達は、後ろに立って、赤光に染まる草々と、風になびく彼女の赤茶色い髪のコントラストに、
しばらくの間、ただじっと魅入っていた。


39 :miki ◆LLUxQinvso :03/04/09 03:00
「まったく、立ち入り禁止の立て札が立っていただろう。
こんな危ないところに一人で....」
オジさんがそう言うと、僕達は少女に近づいていく。
少女はビクリとして背後を振りかえった。
「なんだ、つけられてたのか。びっくりさせんなよ。」
そう言い終わると同時に僕らも草地に座る。
夕日がちょうど沈んで、草の色が徐々に変わっていくのが感じられる。
「ここはさー、急斜面で危ないから誰も登らないんだけど、実は山と丘陵地帯がつながっててね。
昔からあたしだけの場所だったんだ。10歳くらいから赤い草もあの星空も、あたしのものになったの。」
僕は、彼女の表情を見て、幾分落ちつきを取り戻していたのがわかった。
彼女は仰向けに寝転がって、きらめく星達をみつめていた。


40 :miki ◆LLUxQinvso :03/04/09 03:00
「あたしさー、なんていうか、東京の環境が合わなくて、自暴自棄みたいになっててさ。
京都にくれば、何か変わるんじゃないかと前からずっと思ってたんだ。
ここに来て、最初は懐かしいって、思ったけど、でも、なんか違う、って、そんな感じがしたの。」
彼女は落ちついた声色でゆっくりと話し始めた。
いい意味で吹っ切れたような想いがこもっていた、ような感じも、少なくとも僕には感じられた。
「あたし、わかったんだ。ヨウイチに会った時も、中学校の教室でも、家で父親と話しても、
自分の部屋に戻っても、なんか違うってずっと思ってた。そうなんだよね。私の居場所は、ここにはないんだよね。」
オジさんも寝転がって、肘枕で彼女の話を聞いていた。ヨレヨレのスーツがなんとなく、
情けなかった。
「なんというかなあ、お前達は若いからわからないかもしれないが、過去の記憶も、
未来への幻想も、ある意味では、儚い夢でしかない、ってことなんだよな。
過去が楽しかろうが辛かろうが、未来に希望が持てようが持てまいが、
今向き合ってる状況そのものに対して動いていかなけりゃ、現実が変わるわけでもないし、
神や菩薩が助けてくれる訳でもないんだよ。なんて偉そうなことを行っても、リストラされたオヤジの
戯言だと思って、聞き流しておいてくれ。家でヤケ酒飲んでる自分への自戒の言葉だな。ハハハ」


41 :miki ◆LLUxQinvso :03/04/09 03:01
僕は彼女の顔をじっと見ていた。
日が落ちて、風をうけた髪も闇に染まっていた。
彼女は体を起こして、黄色い三日月を眺めていた。
暗くてよく見えないけど、口元をみて、微笑んでいるんだな、そう思った。
「なんか、よくわかんないけど、くだらないこと気にすんなよ。
俺なんか、高校でて、今のバイク屋来て2年経つけど、いまだに仕事わかんないんだからさ。
だけど、能天気なのが、俺の取り柄だしな。」
彼女は表情を変えなかったから、僕の慰めの言葉をちゃんと聞いていたかどうかはわからない。
つま先を上下に往復させて、鼻歌を歌っていた。
オジさんがぼそりと口を開く。
「なんというか、ユキコちゃん、お前さん会ったときと違っていい顔してるよ。
なんか元気が出るな。私も再就職先探してがんばってみるか!」
オジさんはゆっくりと腰をあげてうーん、と背伸びした。
少女は急に僕らを交互に見て、鼻歌をやめて、しかめっ面をした。
「あのさー、あんたら能天気にいちいち説教されなくてもわかってるよ。
あたしの居場所は、くだらねー母親と、くだらねー友達と、
くだらねー男どもがいる、うさん臭くて薄汚い東京の街にしかないんだって!
心の奥底ではとっくに気付いてたはずなのにね。あははは。じゃ、帰るかー」


42 :miki ◆LLUxQinvso :03/04/09 03:01
僕らは草を振り払って立ちあがった。
やっぱり、離れるのは名残惜しかった。
きっと、ここは日常の中にはない、不思議な空間なんだろう。
風に揺れる草原一帯を見て、そう思った。
僕は服をはらっているユキコを見て思わず呟く。
「頭に草が乗っかってるよ。」
「妖精みたいでかわいいんじゃん。あはは。」
「小悪魔の間違いではないのか?」
「うるせーよバカ、あははは。」
「ハハハハハ」

こんな光景を見て、空の果ての神様が、やれやれ、
なんて思ったかどうかは、僕にはわからない。


43 :miki ◆LLUxQinvso :03/04/09 03:03
その後、僕達は、やっぱり、それぞれの日常へ帰っていった。
彼らとは劇的に仲良しになったわけじゃないけれど、
たまに会って、バカな話ぐらいはしたりする。
オジさんは再就職先が決まったそうだし、ユキコは学校の先生になりたなんて言って、
急に勉強を始めたらしい。僕は、相変わらずの体たらくだけど。
そんな話を聞くと、嬉しさでも羨ましさでもない、異国の地の戦友への、
羨望っていうか、憧憬っていうか、そんな感覚に襲われるのだ。
やっぱりあの二人は、僕にとって、普通の友達というよりは、異世界での宇宙人って感じなんだろう。
だけど、そんな関係が、たまに退屈な日常を吹き飛ばしてくれるとしたら、やっぱり彼らに感謝しなくちゃいけないだろう。
あの日の小さな冒険が、やっぱり、僕の中で随分大きな位置を占めてるんだと思うし。


44 :miki ◆LLUxQinvso :03/04/09 03:04
時々、ふと仕事をサボって、新幹線に乗ってしまうことがある。
何の約束を取り付けるということもない。立った一人で、ふらりとあの場所へ向かうのだ。
日暮れのの京都の辺ぴな場所にある小さな山。急な斜面を登って、息を切らして、
がらりと目の前の様子が変わる。赤い草原の上で、偶然黒い二つの影をみつけると、
僕は嬉しさと懐かしさで、思わず頭がいっぱいになるんだ。

夏風の日 完

45 :miki ◆LLUxQinvso :03/04/09 03:09
まとめ直して気付いたけど
短編とはいえなんか不完全な気がするな。
自分で言うのもなんだが話がつまらん。

46 :miki ◆LLUxQinvso :03/04/09 03:10
「blue code」

ある時、世界に闇が襲った。
多くの者は、海と空へ逃れた。わずかな人々だけが、
地で闇に立ち向かった。彼らはどうなったのか、
世界はその後どうなったのか、定かではない。

『旧約創世紀 息吹の項』より 

47 :miki ◆LLUxQinvso :03/04/09 03:10
駅前のスクランブル交差点、王国議事堂、超高層ビルや、ピカピカと電子看板が光る高級クラブ、若者に人気のイタリア料理店。
その日のその夜も相変わらず、ドーム天井からの薄暗い青い光が、都会を煌々と照らしていた。


48 :miki ◆LLUxQinvso :03/04/09 03:11
街灯のネオンの下の、アスファルトで、ギターをかき鳴らす若者達を、人々が横目で通り過ぎる。
文化と流行とファッションと、政治と犯罪の首都インティア。
蛇道のハイウェイで、ホバリングスポーツカーを走らせる男女。
「おい、運転中に抱きついてくんなよ、あぶねえだろ。」
「え〜、だって〜」
黒いサングラスをかけて、片手でハンドルを握る長髪の男と、
厚化粧をしてブランドを身にまとう目の細い女。
彼らは、空に漂う何者かに気付いた。


49 :miki ◆LLUxQinvso :03/04/09 03:12
「おい、なんだあれ?」
男女は眉をひそめて、上空の影に視線を投げる。
「人...? まさかねえ?」
女はたばこにライターを近づけて、
金色の髪を掻きあげた。
「おい、車の中でタバコを吸うなっていつも...
お、おい、なんだこれ、ちょっと、うわあああああああ」
白い光線がブンと街並みを裂き、コンクリートの建物はぼろぼろと身を崩し、
舗装された道路には、血に染まった肉片の山が転がっていた。
空に漂う男は薄気味の悪い笑みを浮かべていた。


50 :miki ◆LLUxQinvso :03/04/09 03:13
「わはは。祭りじゃ祭りじゃ。」
中央に轟々と燃え盛る炎を囲んで、数十人の遊牧民達は、
わざわざと、笑い声をあげていた。
動物のなめし皮でできた服には、ギザギザした民族刺繍が縫われていたし、
ステップ一帯には、同じ模様をしたテントが、ところどころに張られていた。


51 :miki ◆LLUxQinvso :03/04/09 03:13
彼らは、自らこのような生活様式を選択した。
近代化された中心地での、合理的な生活手段が肌に合わず、
敢えて、そこから遠く隔たった偏狭の地で、生活を営むものたちは少なくない。
それでも、彼らは近代的な生活がどのようなものか知っているし、知性もある。
だからといって、彼らは道化を演じているというわけでもなく、
原始的な生活そのものに喜びを見出し、そこから刺激と充実を得て、満足しているのだ。


52 :miki ◆LLUxQinvso :03/04/09 03:13
海底の世界で、人々は科学を武器に、生を切り開いてきた。
高水圧に耐えうる巨大な反重力ドームを造り、
太陽光の届かぬ地で生態系を維持するために、
風合成といわれる特殊な化学反応によって栄養源を得るような植物を、
高度に発達した遺伝子技術によって開発した。
それから、彼らは科学に極度に依存するようになる。
文化も、技術も、社会システムも、機械仕掛けのような精密さを持ち始め、
それが我らを幸福に導く、とは考えないよう者達が、僻地へと出ていくのだ。


53 :miki ◆LLUxQinvso :03/04/09 03:14
あごに白いひげを生やした、頭の上げた老人は急にその場を立ちあがる。
「今日は皆に見せたいものがあってな。おい、ミーク、出てきなさい。」
ゆらめく炎を囲んでいた人々は、一斉に、老人を冷めた目でじっと見た。
ある者はため息を漏らし、ある者は舌を鳴らした。
「族長、また変な発明ですか。族長がこの前作った犬型ロボットが暴走したせいで
ケガ人が出て迷惑してるんだから...」
やや小太りで、高い声の中年女性が、低い声で老人に反意を示した。
老人は眉間にしわを寄せ、甲高い声で唾を飛ばしていた。
「うるさい黙れ! 今日のやつはとびきりのかわいらしい...」
老人がそういい終わらないうちに、一人の少年の声が聞こえる。
炎から遠く離れた、黒刺繍のテントから姿を現し、青い髪の少年はゆっくりと炎に近づいて来た。
「じいちゃん、やっぱりこれすぐには直らないよ。」
少年は小さなイルカの形をした物体を腕に抱えていた。


54 :miki ◆LLUxQinvso :03/04/09 03:14
イルカは黒い眼球を上下に動かしたり、尾びれを反り上げて、パシンと少年にぶつけたりした。
「リット、貴様、明日のうちに直しておけと口を酸っぱくして言っておいただろう!」
老人は木の杖をぶんぶん振りまわしながら、ゆっくりと少年に近づく。
少年は両手を上げて、後ずさりする。「そんなこといったって...」
「まったく、族長はどうしようもねえなあ。」
体の大きな男が、肉にかぶりつきながら、頬をこわばらせる。
ザッザッと草を踏みしめ、頭に赤い炎の光で頭を光らせ、
老人は、少年の頭めがけて、杖を振り下ろす。
そこには、目をギュっとつぶって肩を落とした少年と、空中で静止した杖の光景があった。
老人はしわがれた指で耳につけた機械をいじくっていた。
急に目を尖らせて、背にしていた炎を振り返る。
「大変なことが起こった。インティアが壊滅したらしい。
皆の者、祭りどころではないぞ!」
その後、しばらく経って、緊急王国会議が議事堂で開かれた。
そこには、リットと老人の姿もあった。


55 :miki ◆LLUxQinvso :03/04/09 03:16
女はチョークで黒板に三角形を書きながら、
少人数の子供達に笑顔で振り向いた。
「さあて、さっき説明しましたね。
ここ天空都市リーフィアでは、代表といわれる皆に選ばれた個人が、
国を統治し、神法院という機関が立法と司法を扱います。
えーと、ではティアさん。全体のバランスを保つための、代表に対する反権力集団をなんといいますか?」
白いローブを着た赤い髪の少女目をとろんとさせて、肘を突いていた。
「う〜ん......わかりません...」
背の高い女教師は済ました顔で事務的に言葉を発した。
他の生徒達は呆れた様子で少女を観察している。


56 :miki ◆LLUxQinvso :03/04/09 03:16
「はい、じゃティアさんは天空政治法全文を暗記してくること。
明日テストをします。じゃこれで終わり。次は実習だから外にでること」
鐘が鳴って、子供達は安堵のため息をつき、椅子や机の動く音が鳴り響いた。
ふと、少女の後ろから小さな声がきこえる。
「あーあ、かわいそうにな。リリ先生きびしいからな
俺にあたんなくてよかった。それよりさ、次の時間魔法実習だぜ?
練習してきたか?」
とがった黒髪の少年は、目を光らせて得意げにティアをからかう。
ティアは、しばらく沈黙して、ふうとまぶたを閉じる。
「ぜ〜んぜん」
白い蛍光灯をボーっとみつめて、少女は本をバサリと閉じた。


57 :miki ◆LLUxQinvso :03/04/09 03:17
その少年と少女は白い雲が広がる平地で、大きな釜の前に立たされていた。
子供達がボール蹴りをして笑い声を響かせていた。
釜からは白い気体が出ていた。
釜の横で、ブロンドの髪を左右に揺らしながら、女は話し始める。
「他の人達は課題をクリアしたので自由時間にしました。
残りはあなた達だけですね。
ティアさん、サンディさん。クラウドマテリアルの魔法をやってもらいます
やり方は前に説明した通りです。釜からでている気体を物質化して取り出してください。
地面にはこの魔法が使われています。ではサンディさんから」
女がそう言うと、少年は胸を張って前に出ていった。
釜もくもくと沸いてでる白い気体が天まで上昇している。
「だいじょうぶなの?」
ティアが心配そうに少年の背を見送った。
「まかせとけ。昨日の夜中に猛特訓済みだからな。
お前には悪いけど、俺も雲球蹴りに加えさせてもらうよ。」
少年は鼻息を鳴らし、目を輝かせてさっと気体に手を伸ばした。
女教師は厳しい顔で少年の右手を凝視している。


58 :miki ◆LLUxQinvso :03/04/09 03:17
少年の掌にキラキラと透明な塊が輝いていた。
「できた! んじゃ先生バイバイ」
少年はさっと踵を返して、ボール蹴りの集団めがけて走り出した。
数歩進んだところで少年は体のバランスを崩し、顔を地にぶつけた。
足には雲でできた縄が絡まっていた。
女教師は笑みを浮かべて落ちついた声で少年に語りかける。
「これは凍らせただけではないですか。ただのアイシングです。
あなたは今日は居残り決定です。」
「あっちゃ〜。やっぱり...」
少女は手に顔を当てて少年に痛い視線を向けていた。


59 :miki ◆LLUxQinvso :03/04/09 03:18
「さて、次はティアさんですね。それじゃ、やってください。」
少女は釜におそるおそる近づいてじっと気体を見つめる。
手を伸ばして白いもやに手を近づける。
数秒時が止まり、ティアはそっと手を引き、少し顔を歪ませて教師のほうへ顔を向けていた。
「あの、私、練習したんだけど、できそうにないから、その...」
女教師の勢いある声がティアの言葉を遮る。
釜は先ほどにもまして、もくもくと気体を噴出していた
「やれといったらやりなさい。やってみてだめならあなたも居残りです。
さあやりなさい。なんですか、急に泣きそうな顔をして。そんなことをしても...」
「せ、せんせい、あれ...」
少女はぺたんと腰をつけて、ガクガク震えながら女教師の左奥を指差していた。
空中に、巨大な黒いホールが現れて、ブウンと音を立てながら揺らめいていた。


60 :miki ◆LLUxQinvso :03/04/09 03:18
「さて、偵察部隊をリーフィアに派遣させたわけであるが。」
大きな金属製テーブルを、国王を中心として8人の男女が取り囲み、気難しい表情を周囲に向けていた。
「そのことはくれぐれも内密にしてもらいたい。
ここに集まっているのはトップシークレットの人物だけだからな。」
国王は、汗を灰色の背広にぽたぽと垂らし、白い頭を掻いていた。
すると、薄い髪に丸い眼鏡をした背の低い男が、手を上げて発言した。
「首都の復興には多大な時間と費用がかかります。
我々をこのような状況に陥れた上の世界の輩どもにはやはり国民が一枚岩となって、
断固対抗する必要があると思われます。」
痩せ気味の、赤いブレザーを着た眉の厚い女性が、バンと立ちあがり、
男をギロリと睨んだ。
「戦争には断固反対です。争いは何も生み出しません。
こちらから歩み寄って、友好的に話し合えばわかりあえるはず。
みんなそう思いません?」
女は至高のカタルシスを得たような顔つきで、男達に語り掛けていた。


61 :1 ◆LLUxQinvso :03/04/09 03:27
ここから書くわけですけど意見あればどうぞ

62 :名無し物書き@推敲中?:03/04/09 03:27
取材の仕方ってどうやるの?????????????????/


63 :名無し物書き@推敲中?:03/04/09 03:32
ここまで流し読みしたが、面白くないんだよな。

64 :1 ◆LLUxQinvso :03/04/09 03:32
本で調べたり、取材したいものに携わっている人に聞いたり
まーいろいろでしょ。

65 :1 ◆LLUxQinvso :03/04/09 04:08
その背の高い男は黒いマントを翻す。
細くこわばった顔と、蛇のような細くとがった眼は、その場にいた三人と、天空の地平を凍らせた。
男は前かがみに、のそりのそりと、その場で体を震わせていた女教師との距離を縮めた。
「おい、女。この世界には黒い血脈の者がいるだろう。どこにいる?
抵抗しないほうがいいぞ。海底の連中のようになりたくなければ。」
男は女の頬を掴み、徐々に力を込めた。
「な...なんですかあなたは。ぐ......」
女の顔は青ざめ、白めを剥いて体は痙攣している。
男の手が女の顔から離れると、男は自分の顔にぶつかった氷を手で払った。
サンディは座った姿勢のまま男から目を反らさなかった。釜から立ち上る湯気だけが
天に向って躍動していた。

66 :1 ◆LLUxQinvso :03/04/09 04:19
「勇敢な小僧だな。気に入ったよ。全員殺そうかと思ったが気分が変わった。
四日待ってやる。黒い血の者をこの場に連れて来い。よいな。」
その瞬間、男は笑みを浮かべ、歪みから姿を消した。
そこには、腰をついて、涙を目にためた視線の定まらぬ少女と、遠方で立ちすくむ子供達
うつむいた少年、そして口を抑えてゆっくりと呼吸している女の姿だけがあった。
校舎の鐘が時を告げるまで、その場は凍り付いていた。

67 :1 ◆LLUxQinvso :03/04/09 04:35
代表邸の一室のソファーで三人は紅茶をすすっていた。
高貴な肖像画、シャンデリラに真紅の絨毯。
純白のドレスに身を包んだ女は短い髪を手でそっとなぞり、呟く。
「大変なことになったわ。さっきは海底王国の連中が来るし、
今日はついてないわ。で、黒い血っていうのは...
本当にそう言ったの?」
女教師は、顔の蔭りを隠せないままそっと代表を向く。
「はい、確かにそう言いました。セリア代表」
二人の子供はじっとうつむいたまま、冷めた茶に手をつけていた。

68 :1 ◆LLUxQinvso :03/04/09 05:06
二人は腕に絡まってくる黄色のつたをはらいながら
森の中をさまよっていた。
食虫薔薇のトゲにやられた虫の死骸が白い大地に緑色のしみをつくっていた。
「こんな気味の悪いところに行けなんて、代表もタチ悪いな。」
サンディはガーガー鳴く体の大きい歩行鳥を蹴り飛ばしてぼやいた。
ティアは怖れと不安で、ゆっくりとサンディの後をついていくのがやっとだった。
頭の白いフードが植物の体液に染まって、ぼろぼろ涙をこぼしていた。
動物のように動き回る大木、宙を飛び交う雑草、笑い声をあげながら、
二人の周囲をぐるぐる回る黒猫。気味の悪い森を二人はゆっくりと漂う。
少年が猫に石を向けようとすると、少女の眼には小さな木造の小屋が入り、一目散に走り出した。

69 :1 ◆LLUxQinvso :03/04/09 05:51
「こわっぱ、お前は帰りな」
老婆はサンディをドアの前で蹴り飛ばし、腐りかけた木のドアをバタンと閉める。
しばらくの間、少年の叫びは中まで響いていたが、それもやがて小さくなり、
少年はその場を去った。
白髪をぼりぼり掻いて、老婆は椅子に腰掛け、少女と向かい合う。
「黒い血っていうのはね、この世界を創出し、統治した一族のこと。
わしはその最後の生き残り。話を聞く限りそいつは地上の者だろう」
少女はガラスの木棚に並べてある数十個の白いドクロをみつめていた。
部屋を薄暗く照らす隅のろうそくに視線を移し、少女はこの場に来たことを、
半ば後悔しはじめた。
「ティアとか言ったな。わしのことはアネルと呼べ。
お察しの通り、そのドクロはわしが殺した人間のものさ。いいコレクションだろう。
わしのことを聞きつけてここにやってくる奴は皆こうなる。
お前は顔の形がいいね。さっきの男のガキは、
お前を物色するのに邪魔だったからね。ヒッヒッヒ」

70 :1 ◆LLUxQinvso :03/04/09 06:18
老婆は椅子から立ち上がり、台所へと姿を消す。
ろうそくの火がぶおんとゆらめく。太陽はすっぽりと沈み、
隙間風が、少女の体を冷やした。
「台所からナイフを取ってくるから待っていろ。」
老婆はテーブルに手をついて椅子から立ちあがり、姿を消した。
少女は颯爽とドアに向いノブを思いきりひねる。ドアはびくりともしない。
ティアの掌の横を何かが通り過ぎ、タンと音を立てた。
突き刺さっているナイフを目にして、少女は思わず体を崩した。
少女が振り向くと、丸い顔にしわを寄せ、にやついている老婆の姿がぼんやりとみえた。
もう一本の錆びたナイフをさすりながら、老婆は少女の前に立った。
「赤い髪に白いローブの女の子ときちゃ殺さずにはおけないねえ。ウヒヒ。」
老婆は身をゆっくりとかがめて少女の腹にナイフを突きたてた。
少女は涙を枯らして呆然としていた。その光景は、
怖れや怒りという感情を引き出すには壮絶に過ぎた。

71 :名無し物書き@推敲中?:03/04/09 06:55
頼む。面白いところを教えてくれ。付き合って読む漏れも漏れだが。

72 :名無し物書き@推敲中?:03/04/09 07:16
一作目だけ感想。
主人公の描写がギャルゲっぽくて、俺には合っているもするが、
習作でしかない作品な気がする。主人公の視点は、なかなか哀愁があるっていうか、
なかなかセンスがあると思う。言っちゃ悪いかもしれないがそれ以外は糞だけど。
ストーリーに一貫性がないし、旅することで波乱が起きたりもしない。
一言で言えば、退屈な小説だったね。

73 :名無し物書き@推敲中?:03/04/09 17:20
age

74 :1 ◆LLUxQinvso :03/04/10 03:08
老婆の腹に少女の足が食い込むと、老婆は体をくねらせた。
テーブルを手で抑えゆっくりと立ちあがる。老婆は薄暗い小屋で、悶絶の表情を顕にし、
後ずさりする。少女は床に落ちたナイフを拾い、刃先をぺろりと舐めた。
少女には怖れも怯えも、あらゆる感情がないように見えた。髪は黒く変わり、瞳は一つの方向を向いていた。
老婆は少女の睨みの視線を反らしてぼやいた。
「お前はこの世界の人間ではない。魔法が使えないようだからおかしいと思ったよ。
今のように試してみりゃ、今度はわしがこのザマだ。」
少女はブン、とナイフで三度空を切り、風圧で老婆の白髪が強くなびいた。
それから少女は動きを止めた。数秒の沈黙が流れると、そっと目を閉じる。
「......嫌い」
そう呟くと少女は体を傾け、腐りかけた床に伏した。

75 :1 ◆LLUxQinvso :03/04/10 03:29
ティアはベッドの隣のテーブルから、老女の声が響くのを聞いた。
目を開けると同じに、ティアは自分の体の自由がないことに気がついた。
「起きたな。痺れクスリを飲ませたのさ。効用が切れるのはちょうど三日後。
お前のいう男が来る日だな。」
老女は椅子に座り、ナイフでテーブルにあるドクロを削りながら、抑揚のない声で呟いた。
「私をどうするの・・・。」
朝の日差しを受けても、まぶしさを手で遮ることができず、ティアは再び目を閉じた。
「起きたばかりで悪いが、三日間眠ってもらう。そのとき、お前がこの場にいることができたなら、
ついていってやる。それができなければ、それは即ち.........」
ティアは自分の意識が徐々に薄れていくのを感じていた。

76 :1 ◆LLUxQinvso :03/04/10 03:35
読んでる人がいるならなんか書いてちょ

77 :あぼーん:03/04/10 04:06
 ( ・∀・)< こんなのみつけたっち♪ 
http://muryou.gasuki.com/hankaku/hankaku03.html
http://muryou.gasuki.com/hankaku/hankaku04.html
http://muryou.gasuki.com/hankaku/hankaku02.html
http://muryou.gasuki.com/hankaku/hankaku01.html
http://muryou.gasuki.com/hankaku/hankaku10.html
http://muryou.gasuki.com/hankaku/hankaku09.html
http://muryou.gasuki.com/hankaku/hankaku08.html
http://muryou.gasuki.com/hankaku/hankaku07.html
http://muryou.gasuki.com/hankaku/hankaku05.html
http://muryou.gasuki.com/hankaku/hankaku06.html

78 :あぼーん:03/04/10 04:06
あぼーん

79 :佐々木健介:03/04/10 04:06
     ______
    /_      |
    /. \ ̄ ̄ ̄ ̄|
  /  /  ― ― |
  |  /    -  - |
  ||| (5      > |
 | | |     ┏━┓|   / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | |     ┃─┃|  < こんなサイトを見つけた
|| | | |  \ ┃  ┃/    \  正直、スマンカッタ
| || | |    ̄         \_________
http://saitama.gasuki.com/kensuke/

80 :かおりん祭り:03/04/10 04:06
http://www.saitama.gasuki.com/kaorin/
       こんなのございま−す♪
       ̄ ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
        〜oノハヽo〜
  ,.-''"¨ ̄●`' ‐(^▽^)
 (,,●i,,,i,,,,,,,,i,,,,●),,)⊂ )
    )  (    || |   
    ( ^▽^)  (_(__)
~~~~~  ̄ ̄ ~~~~~    ~~~~~

81 :1 ◆LLUxQinvso :03/04/10 04:34
ひどい

82 :1 ◆LLUxQinvso :03/04/10 07:09
やめた

83 :名無し物書き@推敲中?:03/04/10 07:17
まとめて「またり文庫」なり何なりに投稿した方がいいと思う。
スレ連載よりも読みやすいし、反応も違ってくると思うし。

84 :1 ◆LLUxQinvso :03/04/10 19:29
やっぱり書く

85 :1 ◆LLUxQinvso :03/04/11 23:23
ストーリー構成のコツは?

86 :週休二日 ◆7UgIeewWy6 :03/04/12 02:13
>>85
構成というのは、まず全体を考えてから、端々に演繹して行けば間違いない。
例えば、第一章が50枚なのに対し、第二章が12枚では均衡が取れていない。
改行にしても、「間」というものがあるわけで、
主題と意匠が整っているなら、それをひとつひとつ分けて構築して行けば問題なかろうと思う。

87 :山崎渉:03/04/17 13:12
(^^)

88 :1 ◆LLUxQinvso :03/04/19 03:42
「しばらくは様子をみよう。会議は天空との会談後再度行う。では、今日は解散とする。
.........ところで、ルーイ殿。どうしてもその子供は協力させないというのか?」
他の者が席を立つなか、正面から王はひっそりと声をかけた。
遊牧民の族長ルーイは隣で大テーブルに伏して眠っている孫にそっと目をやる。
「確かにこの子は天才です。が、私はその頭脳を戦力開発に提供するつもりはない。
私もとうに王国科学技術開発長の座は退いていますし、私どもは郊外で遊牧民をやるのが性にあっているのですよ。」
王はゆっくりと立ちあがる。
「残念だが仕方がない。その話は次の機会に譲る。あなたたちも早く帰るが良い。」
王はやや声を荒げてその場を後にした。
二人の老人と子供だけがその場を占有し、しばし時は沈黙する。
「で、あなたはどう思っているのですか? 少し時間があれば私にお付き合い願いませんかね」
初老の男はゆっくりとコーヒーカップを口につけた。


89 :1 ◆LLUxQinvso :03/04/19 04:17
王立文化アカデミーの一室で二人は向かい合って一冊の本を眺めていた。
「私の神話学者としての経験から今回のことはピンと来た。」
初老の男はしみのついた分厚く赤い書物をボンとめくる。
ルーイはボーとしながら腰の冷たい椅子に座り、ひじをついていた。
狭い一室には二人が向き合っている小さな机があり、専門書に占められた本棚が、
周囲を囲んでいた。
「旧約創世記はご存知でしょうが、このような内容の記述があります。
ある農夫の一人が余りの貧困ゆえに、妻と子供を殺して食した。
神は怒り狂った。その農夫はみなの知るところとなり、処刑されることになった
が、その前日に姿を消した。と、あるのはここまでです」
ルーイは、いつのまにか机に散乱してあった旅行ガイドを眺めながら話を聞き流していた。
「ふむ。それが私と何か関係があるのですか。早く帰らないと......」

90 :1 ◆LLUxQinvso :03/04/19 04:46
「いいですか。この本は神の地ポリアで最近発見され、解読された重要な書物です。
一般には出まわっていないし、現地では発禁です。私共が文化資料として所有するのみですから。
ところで、ご存知の通り創世記というのは寓話でなく、大体が史実と一致しているようです。
ですが、それも世界が海と空に別れるという、記述で終わっている。」
ルーイは本棚から自分にも易しそうな小説を物色し、手に取っていた。
椅子に座ってしぶしぶそれを眺めながら神話学者の話を聞いていた。
「この本は、要は男の復習劇なのですが、創世記と内容が一致している上、
この書物には現代、未来までを見越したと思われる記述がなされているのです。
驚きでしょう。」
ルーイはパタンと小説を閉じる。
そして、正面にいる小太りの男をじっと見る。
「まさか、その予言書まがいに私が出てくるんじゃないでしょうなあ。」

91 :1 ◆LLUxQinvso :03/04/19 06:11
「農夫だった男の一人称自由体で書かれておりますゆえ、歴史、予言書の体を成してはおりません。
彼がその後どうなったか、明確に記されているわけではないですし。
男は『黒い血』と呼ばれる民族の女を娶り、荒地に移って、生活を始めました。
彼の一族は『蒼い血』と呼ばれ、千年後、その子孫は数万にもなっていた。
そして、神の住む聖地へと赴くわけです。人々は血を流し、世界は別れた.........
現在、地上を占めているのは彼らの一族でしょう。彼、サジャといわれた男は既に亡くなっていますが
ここに気になる記述がある。」
男はまたもやボン、とページの束をめくる。
族長は既に窓から落ちた陽をみつめ、集落の皆を案じていた。
「"私の子孫は神を捕らえた。しかし、神に群がる愚衆共は、海やら空へ逃げだした。
このような間抜けは、しばらく放し飼いして観察しておくのがよかろう。
ただし、それも長くは続くまい。箱舟でも造るがよい"
とありますこれはつまり.........」
族長はゆっくりと腰をあげる。
動物革の民族服がアカデミックな場にある程度のユーモアを捧げていたとしても、
彼の気落ちがそれをかき消しているようにみえる。
「それで地上へ戦争に行けとでも?そんなのはご免です。
そんなことは国に言ったらいいでしょう。私が出てくるのかと思ったら違うようですし。
大体、地上に行くのは技術的に不可能だし、逆も然りです。もう帰りますよ。」
ルーイはドアを開けて、明るい蛍光灯に照らされる研究室を後にする。
学者はぼんやり呟いてボンと本を閉じた。
「ここからが重要だったのに......」

92 :1 ◆LLUxQinvso :03/04/19 06:29
次の朝、ルーイは隣に少年がないことに気が付く。
ルーイは集落のテントを訪ねまわって、皆をたたき起こし一同に集めた。
ステップらしく、朝の涼しく心地よい眠りを妨げられて、不満の声が飛び交う。
「リットなら、部品を探しに北の閉鎖工場に朝早く行ったのかも。
場所は昨日俺が教えたんだけど、相変わらず早いな。」
風がざわめいて、男は欠伸をしながら太陽の光を享受しようと、両腕を上げて、
背伸びをした。しかし、頭上からは杖が降ってくる。
「あのゴーストタウンには絶対行くな、とあれほど、
口を酸っぱくしていっておいたはずだぞ。貴様はまったく.........」
男は頭を抱えてうずくまる。長い髪が草地に垂れ下がっていた。
「そんなこと一言も聞いてませんよ。」



93 :(´д`;)ハァハァ :03/04/19 06:59
http://homepage3.nifty.com/coco-nut/

94 :1 ◆LLUxQinvso :03/04/19 07:05
荒らしもある意味かわいく思えてきたw

95 :1 ◆LLUxQinvso :03/04/19 07:26
>>86 整ってない。どうしよう
読んでる人は感想ぐらいつけてね

96 :週休二日 ◆7UgIeewWy6 :03/04/20 00:11
>>95
じゃあ、整えれば?

97 :1 ◆LLUxQinvso :03/04/20 01:02
それも難しい

98 :山崎渉:03/04/20 01:35
   ∧_∧
  (  ^^ )< ぬるぽ(^^)

99 :週休二日 ◆7UgIeewWy6 :03/04/20 02:03
>>85って言ってるんだから、構成の調整くらいしなきゃ

100 :1 ◆LLUxQinvso :03/04/20 02:13
そうですね。ストーリー構想そのものが陳腐なので練り直さないとw

101 :1 ◆LLUxQinvso :03/05/04 15:58
どうでもいいが昔電波板に立てた小説スレが続いてて驚いたw

102 :miki ◆LLUxQinvso :03/05/06 15:42
ティアは視界全体が闇であることを悟る。
眼前に通る細く青い光の道だけが、闇を照らし、少女を導く。
「ここを進んでいけばいいのかな......」
少女はおそるおそる歩行し始めた。
しばらく歩くと、錆びた鉄製の門に突き当たる。周囲に塀もなく、
闇にぽつんとそびえるそれは、奇妙な風貌をした男に守られていた。
「何の用だ?」
ティアはあとずさりする。
「あ、あの。ここはどこですか?」

103 :miki ◆LLUxQinvso :03/05/06 16:15
「わかっていて来たのではないのか?
黒い血の女王の精神世界である。お前にはその資格があるようだ。
入りなさい。」
男がゆっくりと門を開く。少女はゆっくりと身を乗り出した。
すると、視界が急に切り替わり、前方には青い花の園と噴水が姿を見せる。
噴水のへりにすわって微笑みながら、本をめくっている女性。
赤い長髪が風になびいて、ティアは思わず走り出して、女性に微笑みかける。
「こんにちは。ここで何をしてるんですか?」
女性はゆっくりと顔を上げる。
「あらー、かわいいお嬢さん。いらっしゃい。
私はね、人を待ってるの。ずうっと、帰ってこないの。
あなたは私が寂しいのを知ってて来てくれたんでしょう。本当にありがとう。
ずっとここにいてね。奥にある家で、女の子達が遊んでるから行ってらっしゃい。」
少女は巨大な球状の建物をちらりと見た。奥から賑やかな声がきこえる。

104 :miki ◆LLUxQinvso :03/05/06 16:34
中に入ると、球状の空間の周囲をいくつものドアが取り囲んでいる。
円の中心には、給仕服を着た赤い髪の中年女性が立っていた。赤と白のタイルに閉められた空間は、
少女に畏怖を感じさせた。
「いらっしゃい、ティアさん。ここではみんながお友達。私はリール。よろしくね。
左からぐるりと102個のドアが並んでるね。ドアに行き先が書いてあるから好きなときにどこへも遊んでいらっしゃい。
ただし、立ち入り禁止のドアにだけは入らないでね。ここにはあなたを含めて5人のお友達がいらっしゃいます。
4人ともケーキを食べてるわ。食堂にいらっしゃい。」
ティアは女性のあとについていく。ドア以外に何もないただっ広い空間が、奇妙な閉塞感を少女に与えていた。

105 :miki ◆LLUxQinvso :03/05/06 17:03
ティアはテーブルに腰掛けて、二人の少女と、先ほどの中年女性に囲まれた。
落ちついた風貌で、上品にフォークを動かしている三つ編みの少女は自らをシャリーと名乗った。
ティアと同じくらいの年と思える短髪の少女は、手掴みでケーキを口に運びながら話し始める。
「あたしはルーネ。よろしくね。あんたは、新入りなんだからあたしのいうこときくのよ。
いいわね。」
ルーネの視線はケーキだけに集中していた。
「やめなさい。はしたない子。ごめんねティア。この子ガサツなのよ。」
シャリーは落ちついた口調でたしなめる。
「他の二人はどこ行ったの?」
リールはテーブルに肘をついて、シャリーの方を向く。
「クララは市場に買い物に行きました。
あの女は遺跡に行きました。」
ティアはケーキを口に含みシャリーにひっそりと目をやった。
口調に熱がこもっているようにも思えた。
「ティアさん、ご主人様と私達を見捨てないでね。
ずっと、ここにいてね。」
ティアは彼女の哀願の表情を見ると、どうしても帰りたいとは口には出せなかった。

106 :miki ◆LLUxQinvso :03/05/06 17:24
ティアは遺跡と書かれたドアをじっと見つめていた。
すると、ルーネが後方から叫ぶ。
「おい、新入り。そこは行かないほうがいいぞ。あの女が嗅ぎまわってんだから。
球蹴りいくぞ。」
シャリーは遊技場のドアを開ける。
「食べたばかりだから少し休みたいのよ。
ティア、あとでくるといいわ。」
二人はドアの奥へ姿を消した。
ティアはおそるおそる遺跡の扉を開く。

107 :miki ◆LLUxQinvso :03/05/06 17:39
ティアは石段を登り、大きな石像と神殿が並ぶ遺跡に着く
石柱に手を当てて、ぶつぶつと何か声に出している背の高い女性。
ティアはゆっくり近づいていき、横から、か細い声を発した。
「こんにちは。」
女性は振りかえることなく、石材を道具で彫っていた。
「新しい人ね。私はエクアといいます。よろしく。あなたは?」

108 :miki ◆LLUxQinvso :03/05/06 17:45
「私はティアです。よろしく。あの、どうして私の名前を知らないんですか?
他の人は皆知っていました。」
エクアは急に作業を止め、怪訝な表情をして横の少女を向く。
「ここではそういった質問はしないほうがいいわ。
まあ、私にならいいけど、少なくとも他の人にはね。
それと、あまり私と仲良くしてると嫌われるわよ。」
ティアは再び作業を始めた女性を横でしばらく観察していた。
神殿を支える石柱をいじってどうするだろう。
少女はその疑問を声に発した。

109 :名無し物書き@推敲中?:03/05/06 17:48
つまんねえなほんと。

110 :miki ◆LLUxQinvso :03/05/06 18:07
「石柱の形成のされ方を研究してるの。
私は自分の世界では考古学者ですから。」
ティアは神殿の前に進んで足を止める。
「この世界にはある人に飛ばされてきました。
ここはいったい何なのですか? 早く帰りたいです.........」
すると、エクアは顔をしかめて奥に進もうとする少女を引き止めた。
「入ってはダメよ。立ち入り禁止ってポリア語で書いてあるでしょ。地面に。
それと、そういった疑問自体持たないほうがいいわ。たぶん、そのほうが幸せ。
さあ、こんなところにいないで、他の子のところへいってらっしゃい」

111 :miki ◆LLUxQinvso :03/05/06 18:43
夕食の席で女主人はナイフを動かしながら、口を開いた。
「私の紹介ね。カミンと言います。皆のお母さんよ。ティアさんはもう皆とは
仲良くなれたかしら?」
美しく赤い髪に白いドレス。その風貌はティアともなんとなく通じるものがある。
白いフードをかぶった少女は、苦労して羊の肉を刻んでいた。
「はい、ルーネとシャリーとはさっきボール遊びをしました。」
カミンはにこりと微笑む。
「それはよかった。皆と仲良くしてあげてね。クララ、
いろんなところへ連れていってあげて。」
クララと呼ばれた少女は汚れた指を舐めながら、はーい、と返事をした。

112 :miki ◆LLUxQinvso :03/05/06 18:55
ティアは立ち入り禁止の札がついた図書閲覧室のドアをじっとみつめていた。
食事が終わり、他の少女達は遊技場でカードゲームやボール遊びに興じ、
ティアは疲れて眠いのを理由にして、そそくさと抜け出していた。
「そこは入っちゃダメだよー。」
クララがおっとりした声でティアに注意した。
クララはこれから海洋探検にいくのだ、という話をしてからさっと消えていった。
ティアはため息をつき、踵を返して、自分の寝室へ向かった。

113 :miki ◆LLUxQinvso :03/05/06 19:25
ティアは仲間と数日を過ごし、生活にも適応し始める。
仲間と行く場所も多くなり、最初の疑念も頭の隅に追いやられていた。
ある日の夜の食事でティアはエクアの姿がないのに気づいた。
「エクアはどこへ行ったの?」
その名を聞くと少女達は急に顔をしかめる。
「あんな奴どーだっていいじゃないの。放っておけば。」
ルーネは林檎をかじりながら、声を荒げた。
「じゃ、今から雪山登ってきまーす。」
クララはバタンと席を立って早足で食堂を飛び出した。

114 :miki ◆LLUxQinvso :03/05/06 19:42
「それにしてもあの子は鉄砲玉ね。ところで、
そろそろティアさんも慣れてきたようだから、明日あたり歓迎の儀式やろうか。」
カミンがそう微笑むと皆は一斉に拍手した。
「本当に家族になるための形だけのしきたりだから怖がらないでね。」
シャリーはいかにも嬉しそうに鼻歌を歌い始める。
ルーネは林檎の種を飛ばしながら、
「そうねー。新入りのティアも正式に家族になるんだー。
そうすれば、もっと楽しくなるねー。」
「はい、ありがとうございます」
ティアは皆の誠意に喜び、顔に涙を浮かべた。

115 :名無し物書き@推敲中?:03/05/06 19:45
あのう、「」内には句文点を入れない方が・・・。

116 :miki ◆LLUxQinvso :03/05/06 20:04
ティアは食堂を出ると、エクアの姿を目にした。
頭を掻きながらドアの前を睨んでいた。
「エクアさん。こんばんわ。どこへ行くんですか?」
エクアはもどかしそうにちらりと後ろを振り向く。
「こんばんわ、ティア。皆と仲良くなってよかったわね。」
エクアという女性は他の少女達と付き合いで遊ぶということは全くない。
食事中に顔を合わせるだけで、そのときは自分から話すことはない。
ティア自身もその対応が気に入らなかったし、嫌われる理由になっても仕方ないと思い始めていた。
「おーい、ティア、ギャンブル室で待ってるから。どっちが稼げるか競おうよ」
ルーネはバタリとドアを開けて中へ入っていく。
「明日、歓迎の儀式をやってくれるそうなんですが、どういうものなんですか?」
エクアはその言葉を聞いて顔を歪める。

117 :miki ◆LLUxQinvso :03/05/06 20:06
>>115
わかりました。
あとつまんないっていう人には良くなるためのアドバイスキボン

118 :miki ◆LLUxQinvso :03/05/06 20:31
「今が楽しくて、皆が大好きなら心配ないと思うわ。
だけど、もしあなたが最初の頃のような疑念をまだ持っているなら、
私に着いてきなさい。」
エクアは家畜牧場、立ち入り禁止と書かれたドアを開けすっと中へ
入っていく。ティアは呆然とその場に立ち尽くした。
このままではいけない、今まで押しとどめてきた感情にかられ、
少女はエクアに続いた。

119 :miki ◆LLUxQinvso :03/05/06 20:44
視界に映るのはティアには信じがたい光景だった。
左右には牢の中でただずむ少女達。その牢獄はずっと前方まで連なっている。
ティアは横目で脇の少女達を見まわしながらエクアについていく。
乳児から成人近くの女性まで皆の眼は死んでおり、心ここにあらずといった感じで、
ティアはその恐ろしい光景に足がすくみそうになった。


120 :miki ◆LLUxQinvso :03/05/06 20:59
「歓迎の儀式っていうよりは同化の儀式ね。
自らの意思はここに閉じ込められて、盲目的な崇拝と追従の心に支配される。
あんたが仲良くしてる子達もそうよ。それで幸せと思ってるんならいいけど、ほら」
ボーっとしながら牢の鉄の棒を握る少女がルーネであると気づいたとき、ティアは思わず駆け出した。
「ルーネ!どうして....... こんなのひどい!」
ティアは思わず涙声になりながら短い髪と青いズボンの少女の体を揺さぶった。

121 :miki ◆LLUxQinvso :03/05/06 21:27
「ここでカミンの僕となった者は自分の世界へ帰り、
黒い血を引くものを見つけてはまたここへ連れてくる。もう千人はくだらないでしょう。
先行くわよ」
ティアは頭を抱えながら、エクアにとぼとぼとついていく。
薄暗い牢の陰湿さが、ティアを余計に不安にさせた。
「エクアさんは天空の人ですか? どうして今まで平気だったんですか?」
しばし沈黙して、エクアは足を進めながら、ゆっくりと話し始める。
「私の時代にはとっくにそんなもの滅んでる。海底王国もね。
地上にしか人はいないの。わけあって、カミンはうかつに私には手を出せない。
彼女にしてみれば私はとんだ邪魔者ってわけよ」

122 :miki ◆LLUxQinvso :03/05/06 21:45
「そのことについては、また機会があれば話しましょう」
エクアはそう言うと、歩行を少しずつ早めた。
ティアは偽者の愛情に心が動かされていたことを悔いた。
最初の猜疑心をかき消してしまうほどの彼女達の振る舞いがあったにしろ、
理解不能の唐突な状況で、心を許してしまうのは賢明とはいえない。
そして、エクアは歩行を緩めたかと思うと、突き当たりの牢で一人の老人と対峙した。

123 :miki ◆LLUxQinvso :03/05/06 22:08
これ読んでる人いる?

124 :miki ◆LLUxQinvso :03/05/06 22:51
もういいや

125 :名無し物書き@推敲中?:03/05/07 19:00
よ〜し、パパ読んじゃったぞ〜。
パパ、設定は面白いと思う。
あとは、人を惹きつけるような突出した売りがあると良いな。
アクションにせよ、泣きにせよ、もっとドロドロさせてしまっていいと思う。

まあ、がんがれ。藻前の好きにやりなさい。

126 :125:03/05/09 03:02
パパだが、正直、偉そうですまんかった。
漏れも人のこと言える立場じゃないんだよな、実は
というか、人居ないな…

127 :miki ◆LLUxQinvso :03/05/11 17:07
参考になりました


128 :miki ◆LLUxQinvso :03/05/19 03:12
「きなすったか。そちらの子がティアだな」
狭い鉄格子の奥に一人椅子に腰掛ける体の細い老人。民族衣装に身を包み、遠い地の遊牧民を思わせる。
「ちょいとばかしお話をしてしんぜようか」
老人は少女のほうをそっと振り向いて、しわがれた顔を落とす。
すべてを見透かすような瞳に、少女は思わず目を下に反らした。

129 :名無し物書き@推敲中?:03/05/28 12:28
>miki ◆LLUxQinvso

あげるなよ。

130 :名無し物書き@推敲中?:03/05/28 16:09
MIKIちゃんがんばって


131 :名無し物書き@推敲中?:03/06/18 05:56
ラウンジの優一と春菜の小説のとこからきたけど
彼のより全然読める
あっちは1の人柄がいいからなんとなく読んでて
もう登場人物わからなくなった

最初の短編におじさんを出すあたりいいなと思った ガンガレ

132 :山崎 渉:03/07/15 12:07

 __∧_∧_
 |(  ^^ )| <寝るぽ(^^)
 |\⌒⌒⌒\
 \ |⌒⌒⌒~|         山崎渉
   ~ ̄ ̄ ̄ ̄

133 :山崎 渉:03/08/02 01:17
(^^)

134 :山崎 渉:03/08/15 13:03
    (⌒V⌒)
   │ ^ ^ │<これからも僕を応援して下さいね(^^)。
  ⊂|    |つ
   (_)(_)                      山崎パン

135 :eAc1Abk162.osk.mesh.ad.jp:03/11/17 21:19


136 :名無し物書き@推敲中?:03/11/18 00:15
落ちそうなのでageときましょうね

137 :名無し物書き@推敲中?:03/11/25 21:40
ぬぬ・・・電波板から家庭板と来て、こっちにも流れてきたんだが、
小説書くのが好きなんやね。

125に同意。
まあ、無理にドロドロさせんでも良いかとは思うが・・・

138 :そうして僕は草原に出る:04/04/28 00:37
誰も書く人いないみたいなので、
スレ乗っ取り宣言。

イヤな人はNGワード「そうして僕は草原に出る」を
やっちゃってください。

139 :そうして僕は草原に出る:04/04/28 00:38
--------------------------
生きていることに無価値を見いだすなら、
夢でも見て世界を創り出せばいい。
--------------------------

僕は引きこもりで、今も引きこもっている。

いつから引きこもりを始めたのだろう。

覚えていないほどの昔っていうわけじゃない。
思い出すのがつらいだけ。
高校二年の時からだっただろうか、不意に学校に行きたくなくなっ
た。…違う、つらいからだ。

昔からコミュニケーションと言われるたぐいのものは嫌いだった。
べつにいじめがあったわけでもない、友達を作ることができない人
間だった。でも、この部屋にいればそんなことも忘れられる。

140 :そうして僕は草原に出る:04/04/28 00:39
今日も自室にあるパソコンの電源を入れる。
ファンの駆動音とハードディスクの高速回転音が聞こえ、じきにデ
ィスプレイを明るくする。

ディスプレイに現れるのは、アニメ調の女の子。
そして自動的に起動するWinny。

いつものようにメッセンジャーを起動する。
誰もいない。

今日もWinnyでダウンロードしたエロゲーを起動する。
軽やかなオープニング音楽が流れる。
何度同じ繰り返しを行っているのだろう。

最近むなしさにあふれて仕方がない。
そして無意味に涙が流れるときもある。

ディスプレイには女の子たちがしゃべり始める。甘ったるい声で、
男に甘える。

甘える…高校に通っていたときは僕はいろいろなことを言われた。
暗い、つまらない…。誰も助けてくれなかった。たぶん誰も助ける
必要がなかったのだと思う。


141 :そうして僕は草原に出る:04/04/28 00:40

Winnyのダウンロード状況を見る。
ちょうど一つのファイルがキャッシュから変換中になっている。
ファイル名は「(21禁)Green Field.lzh」。
なんとなくダウンロードしてみたものだ。
新作のエロゲーなのだろうか。
キャッシュがファイルに変換されてゆくのをぼんやりと眺めている。


ぼんやりと眺めている間、エロゲーの音楽だけが自分の部屋を満た
している。

キャッシュがファイルに変換が終わったのを見て、ファイルを確認
する。1GBも仮想CD-ROM形式だ。

仮想CD-ROMを起動してみた。

オープニングが始まる。
どうやらエロゲーらしい。

オープニングの音楽は最初小さくて聞こえなかった。ピアノのよう
な音が聞こえる。ボリュームを上げた。これは…三つのジムノペデ
ィ…ゆっくりと悩めるごとくにだったかな。

OP画像が流れる。どこかの部屋の風景、どこかの町並み、どこかの
ビル、そして、果てのない草原。そこに文字が浮かび上がる。



142 :そうして僕は草原に出る:04/04/28 00:42
「Green Field」

スタートボタンを押す。ジムノペティは相変わらず流れている。そ
して、ディスプレイに文字が流れ始めた。


"暗い自室でジムノペティを聞きながら、引きこもっている。
何時から引きこもり始めたのかは遠い昔のような気がする。思いだ
そうとするとひどく頭痛がする。引きこもる前に殴られたのが、未
だに跡を残しているのだろうか。
 近くにはこの部屋を出るための扉があるが、それをあけるのがひ
どく怖い。開けてはいけない気がしている。時折、母親の声が聞こ
え食料を差し込む手が見える。
 母親は引きこもった僕をもはや出そうとはしない。
 昔は僕をこの部屋から連れ出そうとがんばっていたのを覚えてい
る。でも、僕は出なかった。
 ひどいいじめの毎日が僕をすり減らしていた日々を思い出す。思
い出したくなくてもこの部屋にいると思い出す。それがひどい足か
せとなって、部屋を出ることもできず閉じこもっている。
 いまでは、外を見ることすら怖くて、ベットの中で一日中寝てい
る。
 目が覚めると夜になり、体を洗い、服を着替えて、ほんの数時間
ゆっくりとする。そしてまた寝る。

 まだ夜は外に出ることができる。だって、すべてを暗闇で隠して
くれるから、本当の姿を見ることもなく歩くことができる。


143 :そうして僕は草原に出る:04/04/28 00:57
 太陽はすべてのものをくっきりと照らすから嫌いだ。もちろん自
分自身も嫌いだ。

 夜しか目の覚めない生活を何年続けたのだろう。
 いつの間にか闇の住人のような気がする。
 闇でしか住めない。
 太陽が嫌い。


 きっと僕はもうどこかが壊れかけてるのかもしれない。
 もうきっと人生が終わりに近いんだ。そういえば、最近記憶が薄
いような気がする。そうだ、僕の僕の名前は。。。

 "あなたの名前を入力してください ____"

 イヤなゲームだと思った。あまり続けたくはないとも思った。だ
けど、今更僕と同じ境遇にあるゲームと現実の僕と何が違うのだろ
う。もしかしたら、このゲームをプレイすることで主人公を笑って
やれるかもしれない。そして、僕より下が居るんだとせせら笑って
やれるかもしれない。

 たとえ、このゲームでこの主人公が女の子とやっていても問題は
ない。そのときだけ、主人公の名前を変えてやる。

 惨めなときだけ誰かの名前に変えてやる。

 そうさ、僕より下の境遇がほしいんだよ。僕より下等な人間がほ
しい。欲しいんだ。

 だから僕はその名前に自分の名前を入れた。

 "田内 わたる"

144 :miki ◆LLUxQinvso :04/05/09 14:15
なんじゃこれは。。。
まーご自由にどうぞ

145 :名無し物書き@推敲中?:04/05/09 14:18
>>144
おまいこそ、なんでこのスレに来ている?w

146 :名無し物書き@推敲中?:04/05/09 14:18
と思ったら1さんだったのくわ。

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